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【2019.12.5配信のまとめ】登録理学療法士制度の意義【前半:半田会長】

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登録PT

2019年12月5日20時~22時に「登録理学療法士制度の意義と仕組み」をテーマに下記ゲストが出演され、配信されていました。

・半田 一登 日本理学療法士協会 会長
・斉藤 秀之 日本理学療法士協会 副会長

リンク→https://www.youtube.com/watch?v=dfLya1FMJIA

 

その内容を前半・後半に分けてまとめます。

前半:半田会長による「登録理学療法士の意義・今後の展望」

後半:斉藤副会長による「登録理学療法士の仕組み」

本記事は「前半:半田会長による登録理学療法士の意義・今後の展望」についてです。

 

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理学療法士学校教育の欠点

現在の理学療法士の学習範囲は昔より広い

昔:「脳卒中・脊損」、「回復期」だけ

今:「廃用など疾患が増えている」、「超急性期、在宅、予防」など範囲が広がっている。

だからこそ座学時間が増えて、実習(臨床力)にかける時間が少なくなっている

 

実習においても下記のような問題がある。

昔:患者様に触れ合うことができた

今:患者様に触れ合うことが色々な問題で難しい

その結果、卒後(国家試験に合格後)就職しても、

臨床力が少ないという状態になっている。

いわば免許だけ持ってる「ペーパードライバー」のような状態。

 

この様な学校教育・卒後問題を解決するために新生涯学習システムが考案された。

つまり、新生涯学習システムは学校教育の欠落を補い、協会で繋ぐためのもの。

 

登録理学療法士制度:履修目安期間5年に関連して

(半田会長自身の経験のお話)

自分がどんな患者さんが来ても大丈夫と思えるようになったのには、

「10年」はかかった。本当はそれくらいの時間・期間が必要である。

はじめはボバースを勉強、自信あったが実習で患者さんの状態を変えることができなかった。

その後、物理療法→ADL→そして生涯学習のテーマとして「幸せ・生甲斐」に34.35歳の頃に至った。

 

「一生かけてやりたいことは何なのか見つけていく」

そのためには自分の実体験(職場)だけでは少ない。

他の人のレポートを読んだり、幅広く学ぶ必要がある。

本来は、臨床実習でできることが望ましいのだが・・・

 

理学療法士の質が落ちている!?

「質が落ちている」という指摘は多い。

 

理学療法士の仕事は基本的動作能力の改善。

基本的動作能力の代表としては、歩行がある。

それなのに、歩行装具を知らないなんてアウト。

 

地域においても、

「理学療法士って体操のお兄さんみたいだね。」

集めて、号令をかけて終わり。

こんなではダメ。

 

質が落ちているといっても、

知識量が少ないわけではない。むしろ昔より圧倒的に持っている。

ただ、『なんとしても歩かせたい』『家に帰したい』

そういう熱いもの(思い)が足りない・・・昔とは変わってきた。

 

『私たち(理学療法士)を先生と呼ばないでください』という流れがあった。

むしろ、先生と呼んでもらえるように努力するべき。

尊敬、親しみを込めて言ってもらえるように。

 

※似た記事を過去に挙げているので参考までに↓

【メンター】先生と呼ばれることを拒否していませんか?

 

「Q」&「A」の紹介

生放送中、各SNS・Youtubeコメント欄に寄せられた質問の一部にご回答いただいています。

その一部を紹介します↓

 

Q:更新制の意味は?

A:医療は変わる。そして、学ぶことは過去のこと。教科書に載っていることは10年前のこと。変化していく医療をとらえ、最新を学ばなければ、医療者とはいえない。

 

Q:登録理学療法士制度を全然知らないのだけど、ならなかったらどうなるの?

A:全員が同じ方向を向くのは難しい。それぞれの考え方があるのは、それはそれで良い。協会としては「目標:会員100%達成」と思っているが、強制するものではない。

 

Q:「質」・「思い」が低下している要因は?

A:世の中の常。昔の人は開拓精神がある。そして、次の世代はそれを見てきているから苦労を知っている。しかし、その次の世代は当たり前になってしまう。新しい人達は苦労して開拓したことを知らない。PTだけでなく、どの業界も同じ。それは仕方ない。

 

Q:自己研鑽している・していないにより、点数加算に差をつけるには?

A:整形外科医でも「新人・教授」どちらが手術して同じ点数。加算に差をつけるのは、分かりやすいが、難しい話。医師の業界でも同じこと。

 

Q:取得の有無による格差が必要。どのような選択があるか?

A:報酬に結びつけるのは難しい。協会が一覧を出すことはできる。努力した者が報われる制度にはしたい。

 

Q:現在の理学療法士会では、臨床1年目から専門職のように整形しかしない、心リハしかしないPTが増えています。どう思われますか?私は5〜6年は色々な疾患のリハを担当すべきだと思います!

A:今の働き方としてはしょうがない。可哀想。医師には2年間卒後研修がある。同じ様に理学療法士でも国家試験合格後、1年は臨床実習で前半半年はすべての疾患を経験する期間、後半半年で自分のしたいことを模索。そんな制度を目指したい。
達成するには政治の力が必要。

 

Q:新人教育プログラムで参加費に差があるのはやめてほしい。

A:その通り。都道府県が運営しているのでそれぞれで仕組みを決めて良いとした。結果的には問題あった。

 

Q:登録理学療法士制度などが制定されると、逆に協会入らなくていいやと思う人も出てくる。どう思う。

A:どこの組織も組織率は下がっている。(PT協会は)キープできている方だと思う。他に学ぶ機会があるなら、会員にならなくても良いが・・・学ぶ機会があるなら良いと思う。

 

Q:理学療法士の質とはなんでしょうか?

A:筋力増強ができれば良いというわけではない。こころを引き出す。すべて含む。がんばって家に帰りたい。そんなこころに対して、手当てをする。そういうことが必要。

 

Q:人生100年時代。移動能力が重要だという認識はありますが、高齢化に伴い再発例や多くの既往を持つ方が増えるかと思います。車いすカスタムされる方やその他テクノロジーの発達が考えられますが、歩行をどこまで深めるべきか...?歩行のニーズはいつまであるのか?と悩んでしまいます。

A:健康・友人・愛など無形資産が大事。「お金があれば幸せ」ではない。つまり、移動能力は大事。最後だけでなく、100年間ずーっとで考えて欲しい。そのための若いうちからの予防だとか、2足歩行を最後までこだわる理学療法士になってほしい。その上で、もちろんテクノロジーも重要であると思う。

 

終わりに

半田会長の経験談を通して、「理学療法士全体の質をあげたい」という思いが非常に伝わる1時間でした。是非、動画も見てみて下さい。

 

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