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【基礎から学ぶ・骨粗鬆症】8:薬学 服薬状況と治療薬について【SERM・ビスホスホネート・デノスマブ・テリパラチド・新薬】

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骨粗鬆症8治療薬

【骨粗鬆症】について基礎から学べるようにまとめていきます。

「概念・定義」「分類・原因」「疾学」「検査」「骨折の危険因子」「栄養学」「薬学」「予防」に分けてまとめます。

本記事は「薬学」について以下項目について解説します。

・骨粗鬆症の服薬状況

・骨粗鬆症薬(SERM・ビスホスホネート・デノスマブ・テリパラチド)について

・骨粗鬆症の新薬について

 

 

骨粗鬆症の薬物治療における服薬状況

処方どおり服薬ができていない割合:治療開始後1年で45.2%

との調査があります。

服薬遵守の関連要因をまとめます↓

服薬遵守良好・不良に関連する要因

服薬遵守良好に関連する要因 服薬遵守不良に関連する要因
新規骨折

既存椎体骨折

定期的な運動の習慣

早期閉経

骨粗鬆症の家族歴

服薬を継続する意思

骨密度や骨代謝マーカーの測定と結果の説明

女性

合併症が少ないこと

非経口薬への変更

鎮痛薬の使用

ステロイド薬の使用

痛みの存在

副作用

骨密度を測定していないこと

骨密度の結果を理解していないこと

睡眠導入薬の使用

胃腸障害に対する服薬

ビスホスホネート薬では連日服用が週1回服用よりも劣る

制酸薬の投与

喫煙

薬物治療を進める上で、「服薬遵守」がなされなければ、話になりません。

不良要因が多く存在する症例には注意(対策)が必要となるでしょう。

 

骨粗鬆症治療薬について

以下の骨粗鬆症治療薬の解説をします。

・SERM

・ビスホスホネート

・デノスマブ

・テリパラチド

※「活性型ビタミンD3製剤」・「ビタミンK製剤」・「カルシウム薬」などについては「栄養学」の記事を参照

 

SERMs

ラロキシフェン製剤(商品名:エビスタ)

バゼドキシフェン製剤(商品名:ビビアント)

SERMは「Selevtive Estrogen Receptor Modulator;選択的エストロゲン受容体調整薬」の略。

■作用:骨のエストロゲン受容体に作用し、閉経によるエストロゲン分泌低下でバランスが崩れた骨代謝を調整する。

→骨量低下を改善

※乳癌発生抑制効果も期待できる

■注意:女性ホルモン(エストロゲン)への作用であることに注意。高齢(70代後半以降)でエストロゲン欠乏よりも「骨量減少・骨脆弱性」が主因の場合は、ビスホスホネートなどへ切り替えが必要

 

ビスホスホネート

商品名:ボナロン、アクトネル、ベネット、ボノテオ、リカルボン、ボンビバ、リクラスト

■作用:破骨細胞の働き(骨吸収)を抑えることで、骨量低下を防ぐ。

■注意1:内服の場合は空腹時に服用

■注意2:「非定型大腿骨骨折(AFF;Atypical Femoral Fracture)」の発生の報告がある(報告例:リンク

5年間以上の投与は休薬や他剤への変更を検討する必要がある。

 

デノスマブ

商品名:プラリア

■作用:骨吸収を亢進させる体内物質(RANKL)を阻害し、骨量低下を防ぐ。

■注意1:低カルシウム血症があらわれる場合があるため、カルシウム・ビタミンD製剤を併用する。

■注意2:本剤中止後、多発性椎体骨折を生じる危険※がある。

(ビスホスホネートへの置換で回避する。しかしエビデンスは明らかでない)

※原因:中止後、骨吸収が一過性に亢進する

 

テリパラチド(副甲状腺ホルモン製剤)

商品名:フォルテオ、テリボン

※副甲状腺ホルモン(パラソルモン)の作用:血中カルシウム濃度(骨・腎臓・腸→血液)を高める

■作用:副甲状腺ホルモンを断続的に途切れ途切れ投与することにより、骨芽細胞を活性化させ、骨形成が促進される

■特徴:骨芽細胞に作用すること。1日1回(週1回)の静脈注射または皮下注射で使用

■注意:製剤ごとに投与期間の制限が決められている。

(フォルテオ:1日1回24か月、テリボン:週1回24か月)

 

各薬剤の有効性評価(まとめ)

A:骨密度上昇効果がある ・ 骨折発生を抑制する

B:骨密度上昇するとの報告がある ・ 骨折発生を抑制するとの報告がある

C:骨密度上昇するとの報告はない ・ 骨折発生を抑制するとの報告はない

薬名 骨密度 椎体骨折 非椎体骨折 大腿骨近位部骨折
SERM(ラロキシフェン) A A B C
SERM(バゼドキシフェン) A A B C
ビスホスホネート薬(エチドロネート) A B C C
ビスホスホネート薬(アレンドロネート) A A A A
ビスホスホネート薬(リセドロネート) A A A A
ビスホスホネート薬(ミノドロン酸) A A C C
ビスホスホネート薬(イバンドロネート) A A B C
デノスマブ A A A A
副甲状腺ホルモン薬(テリパラチド) A A A C
副甲状腺ホルモン薬(テリパラチド酢酸塩) A A C C

 

 

骨粗鬆症治療薬の導入戦略の例

骨粗鬆症治療薬

骨粗鬆症治療は長期的戦略が必要であり、患者との共通理解も大切になります。

戦略の例を以下に挙げます。

 

例1:比較的若年(周閉経期~70代前半)

①SERMを主体に ②改善しなければビスホスホネート ③3~5年継続しても改善しなければデノスマブ ④それでも改善しなければテリパラチド

 

例2:骨折リスクが非常に高い

※デノスマブは上述したように、休薬後に多発性椎体骨折を生じる可能性があるため以下の2パターンで考える

A:比較的若年で休薬の可能性がある

①テリパラチド導入 ②投与期間終了後、ビスホスホネート ③改善されればSERMへ

 

B:高齢で休薬の可能性がない

①テリパラチド導入 ②投与期間終了後、デノスマブ

 

新薬の可能性

上述のように、各薬剤には、注意点(欠点)が存在します。

それを克服されるさらなる新薬の検討が今後必要となります。

※まだまだ「骨粗鬆症の治療薬は発展途上」ということ

新薬に期待する役割

①:骨量増加・骨梁構造の改善効果に優れ、テリパラチドより上をいく骨折抑制効果

②:休薬後、骨吸収抑制薬に変更することで、骨折抑制効果が維持できる

③:骨吸収抑制薬で改善されなかった症例においても、より高い骨折抑制効果を示す

 

新薬の例

・アバロパラチド(副甲状腺ホルモン関連タンパク)

・ロモソズマブ(二相性作動薬の抗スクロスチン抗体)

 

 

 

参考文献:

1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/56/2/56_56.136/_pdf/-char/ja

2)http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf#search=%27%E9%AA%A8%E7%B2%97%E9%AC%86%E7%97%87+%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%27

 

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