コーチングスキルの最も基本となるスキルに「傾聴」があります。
この傾聴というスキルは、
コーチングの他にカウンセリングの基礎となっているのですが、
これは「来談者中心療法」という心理療法からきているとされています。
この傾聴の起源となる「来談者中心療法」について理解を深めたいと思います。
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来談者中心療法(クライアント中心療法)
1940年代にカール・ロジャースらにより提唱された心理療法です。
という考え方。ポイントを簡単にまとめると
■ 分析・解釈をしない、クライアントの気持ちを共感的に理解する
■ 指示・教育をしない、クライアントは自ら立ち直り成長していくことが可能
名称は「非指示的療法 → 来談者中心療法 → 人間中心療法 」へと改名されている。
ロジャーズの3つの態度条件
1.自己一致
カウンセラー自身が心に感じたことと態度に不一致がないようにする。
うわべだけの態度にならず、ありのまま純粋な態度でいる。
それにより、クライアントもありのままに心を開くことが出来ます。(信頼関係が構築される)
2.無条件の積極的尊重
善悪や好き嫌いといった評価をせず、
クライアントの感情・考え・行動を無条件に受容します。
積極的に人を尊重するということ
3.共感的理解
クライアントが事実をどう受け止めているかを理解する態度
何を考え、感じているか、 自分自身の行動をどう受けとめているかを
治療者は、観察するだけではなく、共に体験するよう努力する。
決して治療者の目線(経験や感情)から判断してはいけない
【共感の例】
クライアント:「あの人、嫌」
治療者:「嫌な思いをしたのね」
「同感」・「同情」との違い
同感・同情の意味を学び、共感についての理解を深めましょう。
同感:相手と同じ受けとめをする
【同感の例】
クライアント:「あの人、嫌」
治療者:「私もそう思う」
同情:自分の目線(自分の体験や記憶)から理解し、
相手の感情と同じになること。(哀れみの感情が入る)
相手が悲しい・苦しい気持ちなら、自分も悲しむ、苦しむこと
【同情の例】
クライアント:「恋人と別れてツライ」
治療者:「私も別れた時ツラかった。可哀想に」
来談者中心療法のNG対応例とOK対応例
上述した内容が分かる例を挙げます。
カウンセラー:
【NG対応】
「そんなことはないでしょう」「少しは愛してくれた人がいたのではないですか?」「なぜそう思うのですか?」と論理的に返す
結果としてクライエントは、「否定された寂しい」という陰性の感情を持ってしまう
【OK対応】
「それは辛かったですね」「悲しかったですね」「なるほど」と感情面に焦点をあて反応する
クラアエントは、今自分が感じていることが受け入れられたと感じられる。
その結果、本来持っている自己実現の力が戻り、問題が解決していく。
参考:
https://ja.wikipedia.org/wiki/来談者中心療法
アド ラー心理学を理解するための、 臨床心理学の基礎の基礎( 3 )
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